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自動精算機とレセコン連携とは、レセプトコンピューター(レセコン)や電子カルテで計算した窓口負担金の金額を、受付スタッフが打ち直すことなく自動精算機へ渡し、患者さんが精算機で支払いを済ませる仕組みのことです。会計の工程のうち「金額を入力する」「お金を受け取っておつりを渡す」「領収書を出す」の3つを、スタッフの手作業から切り離す点が特徴です。
会計の窓口では、診療が終わるたびに金額の入力、レジ操作、現金の受け渡し、次回予約の案内が続きます。1件あたりの作業は短くても、外来患者さんが集中する時間帯には会計窓口に列ができ、受付スタッフは会計にかかりきりになります。自動精算機は、この工程のうち金銭の授受を機械に任せることで、スタッフが問い合わせ対応や次回予約の案内に回れるようにする目的で導入されます。
レセコン側の電子化は、すでに大半の医療機関で進んでいます。社会保険診療報酬支払基金の集計では、令和8年3月診療分に支払基金へレセプトを請求した医科の診療所86,386施設のうち83,294施設(96.4%)がオンラインでレセプトを請求しています(社会保険診療報酬支払基金 令和8年3月診療分 請求内訳(医療機関数・薬局数)表)。窓口負担金の金額そのものは多くの医療機関で電子的に計算されているため、その金額を会計窓口でもう一度手で入力しているかどうかが、連携を考える出発点になります。
なお、会計にかかる待ち時間そのものを全国規模で集計した公的統計は、確認できた範囲では公表されていません。以下では統計の代わりに、仕組みの分類と、実際に導入した医療機関の実例から効果の見え方を整理します。

会計窓口の仕組みは、精算機への金額の渡し方によって4つに分かれます。
| 方式 | 金額の受け渡し | 会計窓口の運用 |
|---|---|---|
| 窓口レジ(手入力) | スタッフがレセコンの画面を見てレジへ金額を入力する | 入力・現金の受け渡し・おつりの確認をすべてスタッフが行う |
| 自動精算機(金額はスタッフによる手入力) | スタッフが精算機へ金額を入力し、支払いは患者さんが精算機で行う | 現金の授受はなくなるが、金額の入力はスタッフに残る |
| 自動精算機(金額バーコードによる入力) | 診療明細に印刷される金額バーコードをスタッフまたは患者さんが精算機に読み込み、支払いは患者さんが行う | スタッフの関与範囲によって運用方法を決められる |
| 自動精算機(レセコン・電子カルテと連携) | レセコンや電子カルテで確定した金額が精算機へ渡る | 金額の入力も現金の授受もスタッフの手を離れ、スタッフは案内と例外対応に回る |
表の上から下へ進むほど、会計1件ごとにスタッフが行う金額の手入力と現金の授受は減っていきます。3つ目の金額バーコードによる入力では、バーコードの読み込みをスタッフが行うか患者さんに任せるかによって、スタッフがどこまで会計に関わるかを医療機関ごとに決められます。操作の案内や例外の会計への対応は残るため、会計業務のすべてがなくなるわけではありません。一方で、連携するほど、どのレセコン・電子カルテとつなげられるか、会計の金額をどの時点で確定させるかといった、医療機関側の運用に合わせた設定が必要になります。
決済手段の選び方も分類の軸になります。キャッシュレス推進協議会によれば、日本のキャッシュレス決済比率は2023年に39.3%に達し、対前年比で3.3ポイント増えています(キャッシュレス推進協議会 キャッシュレス・ロードマップ2024 P.4)。この比率は業種を問わない全国の値で、医療機関の窓口に限った比率ではありませんが、現金だけでなくクレジットカードやコード決済にも対応させるかどうかは、精算機を選ぶ時点で決めておく論点になります。
機種を比べる前に、医療機関の側で決めておく論点が4つあります。
なかでも会計に固有なのは、金額をどの時点で確定させ、確定後に修正が出たときに誰がどう処理するかです。「精算機で扱わない会計」を決めずに導入すると、例外の会計が精算機の前で止まり、かえって窓口に列ができる原因になります。
同じ自動精算機でも、医療機関の種類によって優先する論点は異なります。
外来のみのクリニックのうち、会計の手順が院内で共通化されている施設では、レセコンとの連携で金額の入力を省ける場面が多くなります。受付と会計を少人数で兼ねていることが多く、会計の手が空くことがそのまま受付の余力になります。入院病床のある病院では、外来と入院で支払い方法や会計の時点が異なるため、精算機で扱う会計を外来に絞るのか、入院の精算も含めるのかを最初に決めておく必要があります。高齢の患者さんが多い診療科では、操作に慣れるまでの案内の手間を導入計画に織り込んでおくと、現場の負担が読みやすくなります。
会計の前後にある工程との関係も見ておきます。会計の順番待ちや、処方せんを受け取るまでの流れは、診察待ちの仕組みと一緒に設計すると動線が整理しやすくなります。診察までの順番待ちの整理については、診察待ちシステムとはで分類しています。
福山循環器病院(広島県福山市)では、2025年5月に自動精算機を導入しました。同院の事務部主任・坂本龍弥さんによると、きっかけは医師の働き方改革で外来の午後診察を廃止し、午前に患者さんが集中して受付が過密になったことでした。
坂本さんは、導入前は金額の入力、レジ操作、お金のやり取り、次回予約の案内までで患者さん1人あたり2分強かかっていた会計が、導入後は1分ほどに短くなり、1日4時間かかっていた会計業務が2時間で終わるようになったと話しています。患者さん1人あたりの会計時間は約半分に短縮し、会計業務の総時間も半減したことになります。また、患者さんとのお金のやり取りで間違いが許されないという心理的なストレスがなくなり、スタッフにゆとりが生まれたとも語っています(導入事例:福山循環器病院。取材は2025年5月の導入後からまだ日が浅い時点)。
同院は1日あたりの患者数が110人ほどの病院で、患者さんの8割が60歳以上とのことです。導入から日が浅い時点では操作方法を尋ねられる場面も多かったものの、スタッフは「お金を間違えるストレスに比べたら操作方法を教えることは苦ではない」と受け止めていると坂本さんは話しています。また、外来は現金のみ、入院は現金とクレジットカードで受けているため、精算機は現金のみの設定にし、カードで支払う患者さんには窓口で対応しているとのことです。前の節で挙げた「支払い方法」と「案内役」の論点が、実際の運用でどう表れるかを示す例と言えます。
ここに挙げた数値は、いずれも同院1施設での取材時点のもので、他の医療機関で同じ結果になることを示すものではありません。会計1件あたりの時間は、患者数、会計の内容、精算機で扱う会計の範囲によって変わります。
自動精算機は、会計窓口の列を短くするだけでなく、受付スタッフが金額の入力と現金の授受から離れ、限られた人数で外来を回すための仕組みとして選ぶのが実務的です。精算機の仕様やレセコンとの連携範囲を具体的に比べたい場合は、自動精算機の詳細もあわせてご覧ください。
連携の範囲・支払い方法・精算機で扱わない会計・案内役の4点は、どの医療機関でも導入前に一度は整理しておきたい論点です。自院の会計窓口に合った仕組みを相談したい場合は、お問い合わせから状況をお聞かせください。
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