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診察待ちシステムとは。クリニックの順番待ちを整理する仕組みと導入で決めること

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診察待ち・受付

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順番待ちシステムとは

一言で言うと、来院した患者さんの順番を院内の紙の受付簿や口頭の呼び出しに頼らず、番号発行・LINE通知・院外での待機案内などの仕組みで管理するシステムのことです。受付から会計までの動線のうち、診察までの「待つ」工程だけを切り出して電子化する点が特徴で、電話対応や呼び出しにかかる受付スタッフの手間を減らす目的で導入されます。

厚生労働省の医療施設調査によれば、令和6年10月1日現在、全国の一般診療所は105,207施設で、前年から313施設増えています(厚生労働省 医療施設調査 P.5 表1)。開設者別では医療法人が47,711施設(45.3%)、個人が38,719施設(36.8%)を占めています(同 P.7 表3)。個人・医療法人を問わず、少ない人手のまま外来数を維持しようとすると、電話対応と院内の呼び出し業務が負荷になりやすくなります。順番待ちシステムは、この負荷を仕組みで肩代わりするために導入されます。

厚生労働省の受療行動調査では、全国の病院の外来患者のうち79.0%が「予約をした」と答えています(厚生労働省 受療行動調査 P.3 図1)。それにもかかわらず、診察等までの待ち時間が15分以上だった人は、「15分〜30分未満」24.9%、「30分〜1時間未満」20.6%、「1時間以上」22.2%を合わせて67.7%と、約7割にのぼります(同 統計表1 P.14。不詳4.4%を含む総数に対する割合。調査対象は病院の外来患者で、クリニック・診療所単体の集計ではありません)。予約と待ち時間を掛け合わせた集計は公表されていませんが、予約が広く行われていても、診察等までの待ち時間そのものは解消されていないことがうかがえます。

待合室の混雑を防ぐ仕組みの分類

受付カウンターでスタッフから案内を受ける患者さんと、壁面の順番待ち状況ディスプレイ
受付でスタッフに番号を受け取り、院内の壁面ディスプレイやLINE通知で自分の順番を確認する場面のイメージ

順番待ちの仕組みは大きく3つに分かれます。

方式患者さん側の動きクリニック側の運用
院内表示型受付で番号を受け取り、院内モニターの番号を見て待つ既存の受付動線を変えずに導入しやすい
LINE通知型LINE公式アカウントで順番が近づいたら通知を受け取り、院外で待つ院外待機を案内できる分、受付スタッフが個別に声をかける回数が減る
オンライン予約連携型事前予約と当日受付を1本の順番に統合する予約枠と当日の飛び込み患者をどちらの列で扱うかを運用ルールとして決めておく必要がある

院内表示型は待合室に人が集まる前提の仕組みで、LINE通知型は院外・車内・近隣での待機を前提にした仕組みです。発熱外来など、院内待機を避けたい場面では、院外への呼び出し通知に対応した仕組み(LINE通知型、またはオンライン予約連携型のうち通知機能を備えたもの)が選ばれやすくなります。3方式は排他的ではなく、院内表示とLINE通知を併用し、院内で待つ患者さんと院外で待つ患者さんの両方に対応する運用も可能です。どの方式を選ぶにしても、患者さんが「自分の順番があとどれくらいか」を自分の目で確認できることが、電話での問い合わせを減らす共通の条件になります。

導入するときに決めること

仕組みを選ぶ前に、クリニック側で決めておく論点が4つあります。

  • 受付方法: 紙の受付表のままにするか、受付スタッフによる番号発行にLINEでの事前登録を組み合わせるか。高齢の患者さんが多い診療科では、紙とデジタルの併用期間を設ける運用が向いています
  • 院外待機の可否: LINE通知型を選ぶ場合、患者さんに院外・車内での待機を案内するかどうか。駐車場の台数や近隣の待機スペースの有無に左右されます
  • 既存システムとの連携範囲: レセコンや予約システムとの連携をどこまで求めるか。連携範囲を広げるほど初期設定の工数は増えますが、受付スタッフが二重入力する手間は減ります
  • 運用担当者: 番号の呼び出し忘れや通知の遅れが起きたときに、誰が気づいて対応するか。受付が1人体制の時間帯があるクリニックでは、担当を決めずに導入すると、通知に気づけない患者さんへの電話での個別対応が必要になる場合があります

これらは技術選定よりも先に、院長・事務長の間で運用ルールとして固めておく論点です。特に受付方法は、いったん切り替えると患者さんへの周知をやり直す手間がかかる論点です。紙の受付表を急に廃止すると、操作に慣れない患者さんからの問い合わせが一時的に増えることが見込まれるため、案内期間を設けて段階的に切り替える運用が考えられます。

診療科ごとに見る業種特有の勘所

同じ「順番待ち」でも、診療科によって優先すべき論点は異なります。

小児科では、院内での待機時間が長いほど子ども同士の接触機会が増えるため、LINE通知型で院外待機を促す設計が向いています。耳鼻咽喉科や内科のように季節性の発熱患者が集中する診療科では、通常の外来患者さんの列と発熱外来の列を最初から分けて管理できるかが仕組み選びの分かれ目になります。院内に調剤を併設するクリニックでは、診察の順番待ちと薬の受け渡しの順番待ちが別の列になりやすく、院外処方のクリニックでも、会計と処方せんの交付を待つ列が別になりやすいため、両方を案内できる設計かどうかを確認しておく必要があります。整形外科やリハビリテーション科のようにリハビリと診察の順番が交互に発生する診療科では、1人の患者さんが複数の列を行き来する前提で番号の管理方法を決めておくと、受付での聞き直しが減ります。

医療現場での導入実例

仕組みの分類や決めごとを説明してきましたが、実際の導入事例を見ると効果がより具体的にわかります。大分こども病院(大分県大分市)の医事課外来副主任・麻生紗季さんは、2024年7月の導入後、それまで6割ほどだった「順番通りに待合室へ戻ってこられる患者さんの割合」が8割以上になり、電話での呼び出しがほとんど不要になったと話しています。LINE公式アカウント登録者数も、導入前の2,500人程度から導入1カ月で7,800人まで増えたとのことです(導入事例:大分こども病院、2024年9月取材時点)。いずれも同院1施設での取材時点の数値で、他の医療機関で同じ結果になることを示すものではありません。番号を伝える電話対応そのものが減ったことで、受付スタッフが他の窓口業務に対応する余裕につながると考えられます。

順番待ちの仕組みは、患者さんの体感を変えるだけでなく、受付スタッフの電話対応・声かけの回数を減らし、限られた人数での外来運営を支える設計として選ぶことが実務的です。導入を具体的に検討する際は、matoca for クリニックのように院内表示とLINE通知を組み合わせた仕組みを比較検討の対象に入れておくと、紙の受付表からの移行ルールを含めて設計しやすくなります。

受付方法・院外待機の可否・既存システムとの連携範囲・運用担当者の4点は、どの診療科でも導入前に一度は整理しておきたい論点です。自院の外来運営に合わせた順番待ちの仕組みを相談したい場合は、お問い合わせから状況をお聞かせください。

出典

  1. 厚生労働省 医療施設調査(令和6年 施設数・開設者別、P.5 表1・P.7 表3)https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/24/dl/02sisetu06.pdf/2026年9月21日 取得
  2. 厚生労働省 受療行動調査(令和5年 外来患者の予約状況、P.3 図1)https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jyuryo/23/dl/gaisu-kekka2023.pdf/2026年9月21日 取得
  3. 厚生労働省 受療行動調査(令和5年 統計表1 外来患者の診察等までの待ち時間、P.14)https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jyuryo/23/dl/gaisu-toukei2023.pdf/2026年9月24日 取得
  4. 株式会社ブレイブメディカ 導入事例「大分こども病院」(医事課外来副主任 麻生紗季さんへの取材、2024年9月取材時点)https://bravemedica.co.jp/case/oita-kodomo-jp//2026年9月21日 取得
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