導入の一番の決め手は「LINE」を活用できること
とりい皮膚科クリニックでは、特に土曜日の午前中に患者さんが集まりやすく、診察終了時間直前に来院が重なることで、長時間の待ち時間が発生していました。こうした課題を解決するため、発券システムの導入を検討する中で、matocaというサービスを知ったそうです。
「matocaを導入した一番の理由は、多くの患者さんが日頃から使い慣れているLINEを活用できる点でした」と、端谷さんは話します。
「名前や住所などを一から登録するとなると、患者さんにとって大きな負担になります。しかし、LINEと連携していれば新しい情報を入力する必要がないため、利用へのハードルが低いと感じました。当院では小さなお子さんからご高齢の方まで幅広い層の患者さんにご利用いただいていますが、特に30代から40代の子育て世代の方には積極的にmatocaをご活用いただいている印象です」
端谷さんはさらに、リーズナブルな価格と機能がシンプルで使いやすいことも導入の決め手になったと言います。
「以前は別の予約システムを導入していましたが、時間通知機能がなく、予約時間を過ぎても自動キャンセルされない仕組みでした。その点、matocaはLINEで患者さんへの呼び出し通知を送れる上に、発券時間の設定もボタン一つで操作できるのが便利です。また、価格面でも以前のシステムより費用を抑えられ、助かっています」
段階的な導入で運用体制を確立──「待ち時間が長い」イメージ払拭へ
とりい皮膚科クリニックのホームページを開くと、『LINEで診察順番を取ることができます』と大きく掲載されたお知らせが目に入ります。
「matocaを導入したのは数年ほど前なのですが、実は院外からも発券できる機能を使い始めたのは今年の10月頃からなんです」と教えてくれた端谷さん。
当初、同クリニックでは、はじめから院内・院外の両方で発券できる体制にしてしまうと、スタッフと患者さんの双方が混乱する懸念がありました。
そこで、まずは院内でQRコード(整理券)を発券する運用体制から慎重にスタートし、スタッフも患者さんも慣れてきた頃に、ある「きっかけ」があり、院外からも発券できる体制へと踏み切ったそうです。
そのきっかけとは、「来院患者数が以前よりも減っていることが分かり、『待ち時間が長い』という当院のイメージを払拭したいという思い」でした。
この判断が、院外発券を含めたmatocaの機能をより積極的に活用する流れにつながったといいます。
matocaの活用で月間LINE登録者数は3倍以上に増加
院外発券機能の提供を開始した10月頃から、月間のLINE登録者数は順調に伸びていると、端谷さんは話します。
「サービス開始前の9月から10月にかけては224人、10月から11月にかけては256人と、登録者数が大きく増えました。それ以前は月平均で約75人の増加にとどまっていたため、現在はおよそ3倍のペースで増えていることになります」
現在、とりい皮膚科クリニックのLINE公式アカウントの登録者数は約8,500人に達しています。今後の目標について伺うと、「1万人を目指したいですね」とのことでした。
「当院では、LINEを通じてクリニックからのお知らせに加え、美容に関する情報発信やキャンペーンの案内も行っています。『LINEのお知らせを見て来ました』と言ってくださる患者さんもおり、継続的な受診につながっていると感じています」
処置内容ごとの予約項目分けが今後の期待
とりい皮膚科クリニックでは、通常の診察の合間に、イボ取りなどの短時間で完了する処置も並行して行っています。
「処置については、1時間ごとに10人ほどの予約枠を設定しています。他にも、予約システムにした方が患者さんにとって便利になるだろうと思いつつ、現状ではまだ対応できていない項目もあります。matocaで予約枠の項目分けができるようになると、さらに使いやすくなりますね」と、matocaのさらなる進化に期待を込めたご意見をいただきました。
患者さん一人ひとりにじっくり寄り添い、心から満足してもらえる治療を提供したいという強い思いを持つとりい皮膚科クリニック。今後もmatocaを積極的に活用し、クリニックをより快適で、患者さんに喜ばれる存在へと発展させていくことでしょう。
※「QRコード」は(株)デンソーウェーブの登録商標です。
取材・文 藤原智沙恵